エヌテックのパッシブデザイン



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1.日差しの検討

パッシブデザインにおいて日差しは次のように扱う必要があり、そのためには敷地の周りの建物の影響も含め。1年を通じてどのような状況になるかを詳しく検討することが不可欠です。
■家を明るくするために取り入れる
■夏には遮る
■冬にはパッシブソーラー暖房のために取り入れる
私たちはとても正確に日差しの状況が分かる3Dシミュレーションを行い、建物の配置やプラン、窓の配置や大きさを詳細に検討しています。

summer.jpg日差しの検討『夏』

winter.jpg日差しの検討『冬』

★夏期日射取得係数(μ値):建物への日射熱の侵入の程度を示した指数で、値が小さいほど日射遮蔽性能が高いことを表します。
次世代省エネルギー基準 μ値=0.07

2.断熱

建物全体から逃げていく熱の速さが、平均的な住宅の50%~60%程度に抑えられるような仕様です。平均的な住宅に比べて、暖房していない部屋(たとえば早朝のLDK)の温度が4℃ほども上回ることになり、床・壁・天井の温度も高く保たれます。また、晴天の日にしっかり日差しを入れれば夕方までほぼ暖房なしで過ごせます。
こうした説明ではピンと来ないかもしれませんが、心地よさの差は非常に大きなものです。

dannetu.jpg

dannetu2.jpg「セルローズファイバー」断熱施工

dannetu1.jpg「高性能グラスウール」断熱施工

★熱損失係数(Q値):住宅の断熱性能を数値的に表したもので、値が小さいほど断熱性能が高いことを表します。
次世代省エネルギー基準 Q値=2.7W/㎡K

3.窓周りの工夫

窓はパッシブデザインの肝になる場所です。基本としている窓全体の構成をご紹介しながら、その意味を解説します。

軒や庇は、夏の南からの日射を遮るためのもっとも基本的な装置です。ただ、本当に軒や庇がしっかり日射を遮ってくれるかどうかは、3Dシミュレーションで詳しく検討しなければわかりません。そのあたりもエヌテックの得意技です。
また軒や庇は日射を遮るだけでなく、外壁の劣化を防いだり、雨の日でも窓が開けられるなど、とてもたくさんの長所を持っています。軒や庇のない、日本の家なんて・・・という感じですね。

まず、冬には室内の熱が逃げにくい窓にすることが基本ですが、このようにエヌテックが標準仕様にしている窓はその性能が高いものです。
次に考えるべきは「日差しがどれだけ入るか?」ということで、当然夏にはそれが少ないものがよいということになります。ただ、夏のためだけに日差しが入りにくいガラスにしてしまうと、冬にはとてももったいない話になります。とくに冬は南面からの日差しが多いので、少なくとも南面は日射が入りやすいガラスにしておくべきです。そして、すだれやルーバー調整雨戸でしっかり日射を遮ればよいわけです。

窓.jpg

夏の日差しを遮る効果が非常に大きいのは、窓の外にすだれやルーバー調整雨戸を付けるという方法です。レースカーテンは日差しを半分くらいしか遮らないのに対し、すだれやルーバー調整雨戸なら80%以上も遮ることができます。
ただ、すだれは結構風通しを邪魔しますし、とくに夜には外から室内が丸見えになってしまいます。せっかく夜になって涼しくなって風を通したいのに、すだれではカーテンを引かないといけなくなります。そうなるとますます風が通らなくなって・・・という残念な結果になります。
そういう意味でルーバー調整雨戸は非常に優れモノです。うまくルーバー(羽根)を調整すれば、「昼、日差しを遮りながら風を十分に通す」「夜、外から丸見えにならずに、風を十分に通す」ということができるからです。

カーテンや障子は結構な断熱性があります。だから窓の断熱性にこの断熱性が加えられ、さらに窓から逃げる熱を少なくすることができます。ただし、カーテンは床まで伸ばさないと効果がありませんし、カーテンボックスをつけるとさらに断熱効果が上がります。
また、最近ではさらに断熱性の高い断熱スクリーンも発売されるようになっています。内観のデザインと合せて、こうしたものもご提案しています。

4.日差しと風通しのデザイン

明るく、風が通る住まいにするための様々な工夫についてご紹介します。

hizasi.jpg高窓(左)と天窓(右)

窓に高低差をつけると、とくに低いほうの窓から高い窓に向かって風が流れやすくなります。この性質を利用し、2階のできるだけ高い位置に窓を設けると、夏に2階に溜まった熱を外に飛ばす効果があり、就寝時の環境がかなり楽になります。
またこうした“高窓”を北側に設ければ、北側の部屋に日差しを入れて明るくするという効果もあります。“高窓”もなかなかの優れものです。

吹抜けは日差しと風の通り道になり、建物全体に明るさと風の流れをもたらします。「吹き抜けは寒い」とか「冷暖房の費用がかかる」と思っている人もいるでしょうが、それは工夫次第です。

fukinuke.jpg吹き抜け

私たちはできるだけオープンな間取りをお薦めし、ご提案しています。そのひとつの理由は「視線が広がって気持ちいい」ということですが、それ以外にも「日差しによる明るさが均一になる(その部屋全体が明るくなる)」「風が通る」という理由もあるのです。

LDK.jpgLDK

wind.jpgウィンドキャッチャー

窓の正面から風が吹くほど、その窓にはたくさんの風が入ります。角度が斜めになっていくほど、入ってくる風は少なくなってきます。でも、そんな風をつかまえる方法があり、それを「ウィンドキャッチャー」と呼びます。何だか素敵な名前でエヌテックは大好きです。もちろん、どちらから風がよく吹くかを知ってつけないと、効果は出ません。

5.庭のデザイン

実は、庭も心地よさに大きな影響を与えます。庭の計画も建物の配置やプランと一緒に考えています。

niwa.jpg庭のデザイン

植物は日差しを遮る効果がかなりあり、だから緑のカーテンが勧められているわけですね。でもせっかく地面のある一戸建て住宅を建てるなら、小さくても庭をつくって植物を植えてみたいものです。とくに日差しを遮りたいなら東西に植えるのがいいですが、北側に低木を植えてしっかり日陰をつくり、そこに低い位置の窓(地窓)をつければ、涼しい風を家の中に取り入れることができます。
また、落葉広葉樹はちょっと掃除が面倒ですが、冬には日差しが入るようになります。ですから、南面はこれですね。